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   蓼科キャラバン記  
2009年8月21日~23日 
霧ケ峰

 
 


ようやく東京にも本格的に夏が到来。
寝苦しい夜が続き、このところ急に暑がりになった家内が大分弱ってきているようだ。昨年も暑い首都圏から脱出ツアーを企画したので、今年もついに短期ながらも涼しいところを目指すことにした。

8月21日(金)

朝から洗濯日和で、午前中家内は洗濯三昧。出発は昼食を食べてからとなった。

実は前日までTVで千葉方面、木更津、金谷、勝浦等の漁港でもグルメ番組を連続して見ていた家内が旨い魚を食べに行きたいなと言っていた。私もてっきり千葉方面かと思っていたが?(もちろん魚は家内がメインのテーマで私は脇役兼運転手という位置づけ)さてその結果は?

午後1時半洗濯を含めようやくすべての準備が終わり、自宅を出発。当然千葉方面と思い、笹目通りに出て、高島平に向かう途中で、家内が突然涼しいところへ行きたいとの爆弾発言あり。えっ!と思ったが、急遽Uターン。昨年夏にすごした日光か、今年の5月に行った白樺湖方面のどちらにするか迷ったが、関越の入り口が近いので、上信道の佐久ICから南下して蓼科に向かうルートに決定。せっかく用意した千葉のグルメ情報はボツになってしまった。まあすこし涼しくなってからまたお出かけすれば良いか。

さて関越に乗り所沢ICを過ぎたころ、突然、家内が居間のエアコンのスイッチを切るのを忘れたとの発言あり。いまさら戻れないので、電気代を気にしつつそのまま直行。


金曜日とあって高速は渋滞なく、途中横川SAで小休止。ここで誠子マミーは「龍の舞」という一応飴のようだが、なんとも説明がつかない妙なお菓子購入。飴を糸状にしてまた固形に仕上げたもので、中にピーナッツとかあんことかいろいろな種類の具が入っている。食べると歯にくっついてしまい、なんとも始末に悪い代物だった。(下図参照)

午後3時ころには佐久ICを通過、そのまま142号経由で白樺湖方面へ。途中「長門牧場」には午後4時過ぎに到着。
まだやっているかどうか不安であったが、売店はまだOK。無事にソフトクリームを堪能し、ついでに明日からの朝食用のソーセージを買い求めた。

次の目的地女神湖には5時過ぎに到着。
ちょっと夕食には早かったが、5月に来たときになかなか旨かったレストラン「BELL」に行ってみた。夏のシーズンまっさかりではあるが、平日とあってまだお店には人影無し。前回食べたビーフシチューが美味だったので、家内にも薦めた。家内だけグラスワインを注文。ドミグラ風味なので、自分で作るトマトベースに比べるとちょっとくどい味ではあるが、とにかく肉が柔らかい。ご飯の量も少なめで私たちにはちょうど良し。お値段はワインと食後の飲み物代込みで¥6470。まあまあ避暑地価額でしょうね。

女神湖は標高が1500mだそうで、涼しくて過ごしやすかった。半そでではちょっと寒いくらい。ここでP泊とも思ったが、残念ながらここには温泉が無いので、当初の目的地白樺湖へ。

今夜のP泊は白樺湖の「白樺湖温泉すずらんの湯」の隣に併設された公共駐車場。女神湖よりは標高が低いとは言え、1000m以上はあるので、ここも大変しのぎやすい気温だった。キャンピングカーの窓を開けると涼しすぎるくらい。駐車場は白樺湖の際にあるので、見晴らしもグッド。とにかく温泉が徒歩3分なのがベスト。

到着してすぐに、温泉へ。ここは日帰り専用。設備もまずまず。休憩室もカラオケなど無く、落ち着いて過ごせる。料金は¥700。平日なので、中はガラガラ。ただし、合宿中の高校生の一団に露天風呂を占領されていたので、彼らが出るまで、露天はお預け。内湯は湯温が42度くらいあって、私にはちょっと熱め。露天は40度くらいでちょうど良い。5~6人でいっぱいになってしまうほどなので、すいているタイミングを見ながらとなるのが難点。

風呂からでて、いつもならパソコンで今日の出来事をまとめるのだが、今回はまったくその気なく、TVを見ながら早めに就寝。寝る前に雨が降ってきたが、夜半、かなり激しく降ったようだ。私は寝込んでいて気が付かず、家内が天井のベンチレーションを閉じてくれたらしい。

8月22日(土)

昨日の雨はすっかり上がったが、まだ空は雲が多く日差しは無し。車内で簡単な朝食をしてから、さっそく朝の散歩代わりに「御泉水自然園」へ。

ここは白樺湖から女神湖へ戻り、さらに急坂をのぼった標高1830mのところにある湿原である。園内は案内板があるにはあるのだが、その絵がかなり簡略化(ドーナッツに串刺しのイメージ)されたもので、現在位置との関係が非常にわかりにくい。チケットと一緒にもらった地図を頼りに回ってみたが、結局どこをどう回ったのか分からないまま終了。もっとも先日墓参りの時に転んで足首をちょっと痛めているので、適当に切り上げたこともあるが。丹念にまわれば結構な時間にはなりそう。

入場料はお一人さま¥300也。もっと高山植物が咲いているかと思ったが、ちょっと盛りを過ぎているようで目立った花は少しだけだった。ま、朝のウオーキング代わりであればちょうど良かったか。

散歩を終え女神湖まで下る途中で見晴らし台に寄った。ここからの景色もグッド。

女神湖に到着したら、もうお昼。当家は昼食か夕食のどちらかを軽めにすることにしている。

今回は昼を軽めにすることにして、昨日のレストラン「BELL」の並びにある女神湖畔のそば屋「水車小屋」で、ざる蕎麦、とろろ蕎麦を注文。蕎麦の味はまあまあ。ただし出汁がからめ(塩気が強い)。家内いわくとろろにして正解だったそうだ。あとで蕎麦湯で飲んでもちょっとしょっぱい感じが強かった。

やはりそばは安曇野の「みはらし食堂」が一番。ここを基準に考えてはいけないのだが、ほかはちょっと見劣りするかな。

食後の運動をどうするか協議の結果、車山の「八島ケ原湿原」に向かうことにした。女神湖からは一度白樺湖へ下り、またそこからえんえん上る形となる。蓼科の外輪山にあたるようで、かなり標高の高いところに湿原がある。

5月に訪れたときは、降雨量が少なかったためか、あまり湿原というほど水が無かったが、今回は昨日の雨の影響もあってか、広大な湿原のあちこちに水面が見えていた。湿原を一周するコースがあるが、半分木道、残り半分は地面を歩く。一周するのに約1時間。昼を過ぎたら、曇っていた空が一変。太陽さんさんという感じでとにかく直射日光が暑い。わたしとしては前回も一周しているので、展望台から見るだけにしておきたかったが、家内から「ここではゆっくり歩けると聞いてきたからどうしても歩きたい!」との強い要請あり、やむなく付き合うことにした。すっかり私の足の捻挫の件は忘れているようだ。

途中、いろいろな高山植物(花)を見ながらちょうど1時間で一周。かなりな運動ではあった。二人とも運動量よりも暑さで参ってしまった。

ウオーキングを終えて霧ケ峰のパーキングに戻り、とりあえず牛乳ソフトクリームで一服。休憩を終えて帰ろうと車に乗ったところ、向こうの丘で人影があり、しばらくしたらグライダーが超低空飛行で着陸してきた。

よーく目をこらしたら、どうやらそこはグライダーの滑空場らしい。人影はそれを見るために集まっているようだ。この手のアトラクション?には目がない私としては見逃すわけもなく、すぐさま車を降り、カメラ片手に丘へ直行。

丘には滑走路があって、駐機場にはグライダーが何機もとまっていた。どうやら大学のグライダー部?の連中のようだ。実際にグライダーが飛び立つ様子を始めてみたが、グライダーを長いロープで小型のトラックにつなぎ、これでトラックが走りだすとあっという間にかなりの急角度で飛び立つてゆく。ジャンボジェットの上昇角度よりもよほど急角度。ショーではないので、飛び立つ前にアナウンスがあるわけではなく、トラックの様子を見ていてなんとなく予測をしなくてはいけない。
 

写真を撮ろうとしたが、なかなかタイミングが悪く、何度かトライしたあげくようやく撮れたのがこの一枚。風は強いが、真っ青な空に舞い上がる白いグライダーはなんとも綺麗。貴重な体験であった。

グライダー見物の余韻にひたりつつまた白樺湖へ戻る。さっそく風呂へと思ったが、入り口に「ただいまの時間大変込み合っております」との立看板が!土曜日の夕方とあってさすがに混んでいるようだ。そういえば昨日と違って付属の駐車場は満杯だった。しかたなく、風呂は延期。

あいた時間を利用して、TV台を修理することにした。出かける前に急遽設置した大型液晶モニターの設置方法が適切でなかったようで、車の振動で、傾いてしまっていたので、なんとか倒れないように手直し。のこぎり、ドリルを使ってなんとか復旧工事完了。作業中横目で風呂の駐車場の車が減っているかどうかチェック。

6時過ぎに例の立て看板が撤去されたのを見て、お風呂へ。日帰りの皆さんはすでにお帰りになったようで、今回は露天風呂を堪能することができた。

風呂に入る前には、女神湖に戻って中華でもと思っていたが、風呂をでたらかったるくなり、ちょうど道を隔てたところにある、レストラン「MONCLER」で済ませることにした。看板にCAFÉと書いているので、てっきり軽食だと思っていたが、意外にちゃんとしてメニューもあった。
家内はロールキャベツ、わたしはかつカレー。いずれもサラダ、飲み物付き。家内いわく味付けは自分のほうが美味しいとの厳しい評価。私のかつカレーはまあ、こんなものかという感じ。やはりカレーは自分で作るのが一番とあらためて思った次第。

8月23日(日)

このところ不眠が続いていたが、久しぶりに熟睡したようで、起床は6時半。

今日は帰りの渋滞を考えて、早めにスタート。

目的地は「海野宿」。妻籠、馬籠などとおなじように歴史保存地区である。場所が佐久ICよりは長野よりである。ちょっと寄り道程度でいけそうだったが、昨日出かけた霧ケ峰の景色が良かったので、ついでにその先の美ヶ原を回ってから行くことにした。

白樺湖から車山、「八島ケ原湿原」を経由して目的地「美ケ原」までは1時間ほどの行程。ただ、八島からはえんえんと急坂が続く。キャンピングカーにはつらいみちのりであった。途中、富士見と名のる展望台が数箇所あり、それぞれに寄って富士山を眺めながら登る。お天気は曇りだが、ときどき晴れ間も拝める。美ケ原に到着したら、ここは何と標高2000m。どうりで途中の坂道に難儀したわけだ。後ろから付いてくる車が数珠繋ぎになるので、待避所に寄っては、後続車に道を譲りつつ登るような状況だった。やはりユーロスターは前車にくらべかなり重い。

「美ケ原高原美術館」の駐車場に車を止めたのは午前10時半頃。さっそく茶店の展望台に向かった。ここから見る山々の景色は圧倒的な迫力で迫ってくる。さすがにここまで登ると雲が下に見えるし、ほぼ270度の視界が楽しめ、乗鞍、常念岳、北アルプスの槍ヶ岳などなどが、全部見える絶景ポイント。ちょっと立ち寄ってみようというような感じで来てみたが、来てみてよかった。

ただし、太陽が顔を出すまでは気温が低く、半そででは無理。かねて車に用意してあった冬用のジャンパーを着用して、ようやく寒さをこらえることができた。子供たちを見ると着替えの用意をしていなかったようで、頭から毛布をかぶっている子をたくさん見かけた。

しばらく景色を楽しみ、ついでに茶店でホットコーヒーをいただく。ところがここは本格的に豆を挽いて作ってくれるので時間がかかるけど、かなり本格的。しかも料金¥200と良心的。

「美ケ原高原美術館」は昔むかし来たことがあると家内が言っていたが、私はぜんぜん記憶が無い。現代彫刻にはあまり興味が無い私だが、家内の要請で、入場してみた。入場料は屋内の写真展と野外彫刻の鑑賞料を含め¥1000。最初に入った写真展は絵でなかったので、あまり期待していなかったが、題材に北海道の美瑛、富良野近辺をとったものが多く、さすがにプロの写真家の構図、撮影のタイミングには参考になるところが多かった。

一箇所で時間をかけて雲の様子、日差しの様子、影の様子などをよく見ながらやらないと良い写真(読者?を感動させるもの)は撮れないものだということが良く分かった。

屋外はとにかく風が強く、気温は低いので、傾斜面に建っている彫刻(抽象的なものが多い)を坂道を登ったり降りたりして、体を温める必要あり。美術館の最高地点から見る景色は先ほどの展望台とは違った角度で楽しめた。富士山が遠景ではあるが、ちゃんと富士山の形で見えている。北アルプスもすぐ手が届く距離にある。(ように見えた)
特に雲がわいてくるシーンは圧巻だった。

家内は昔じぶんでも経験があるようで、かなり熱心に見て回ったが、それでも途中疲れてしまい全部を見ることはできず。

一通り見終わったら、昼時になり、茶店に戻って名物「おやき」を昼飯代わりに。一個¥200。私の「ぴり辛おやき」は辛さ加減がちょうど良くあっというまにペロリ。どうやら今日のランチはこれで終わりになりそう。

ちょっと寄り道のつもりが、美ケ原で思わず長居をしてしまったので、急いで下山? 海野宿は上田と小諸の間にあるので、標高は450m程度。美ケ原からは一挙に1500m下ることになる。美ケ原からの道は急坂と急カーブの連続。カーブの数は60以上になった。とにかく152号に合流するまではひたすら下りが続く。30分ほどで1500mを下ったので、途中で耳がキーンとなるほど。下界に下りてくるにつれ気温が上がる。平地(海野宿)ついにでは30度を超え、さっきまでの寒さはどこへ?

海野宿の町外れ(東寄り)に市営の駐車場あり、キャンピングカーでも止めることができた。駐車料¥300.

保存地区ではあるが、道路は一般道扱いで普通に車が通っている。すぐ脇にバイパスがあるので、こちらは徒歩専用にしたほうが良いのではないかと思ったが。

道の真ん中より南よりに水路があって柳の並木があり、こちら側は暑さをしのげる。保存地区とは言え、建替えてしまったものや、空き地になっているところもあり、他の保存地区とは力の入れ方なのか、指定した時期が遅かったのかが不明だが、その意味ではちょっと残念だった。

雑貨を扱ったお店で誠子マミーは帽子を購入。脳の量は多いそうだが(医者の談)頭が小さいのでなかなかサイズが合うものが見つからなかったそうで、ここでお似合いを見つけてご機嫌。以後その帽子で旅を継続。

これで今回の行事はすべて終了し、帰途につく。

ところが、帰る時間がタイミング的に一番混む時間帯になってしまった。「東部湯の丸IC」で上信道に入り、そのまま「横川SA」まで行き、おみやげ(夕食用)に釜飯をゲット。さすがに日曜日とあって「荻野屋」のコーナーは2列も行列ができていた。

インフォーメーションでチェックしたらすでに本庄から武蔵嵐山まで渋滞25キロとある。このままいくとかなりの渋滞になってしまいそうなので、お土産を買ってすぐに出発。ところがSAを出たらもう渋滞が始まってしまった。

そのまま断続的に藤岡ICまで渋滞が続く。渋滞放送をチェックしたら、藤岡から25キロ、その先川越ICで5キロ、新座料金所で6キロとなっている。いくら¥1000とは言え、このまま高速は乗っていられないと判断し、急遽藤岡で高速を降り、17号経由で帰途につくことにした。ところが幹線道路である17号もこのあたりは片側1車線で、同じく渋滞中。結局、道の駅の「おかべ」で渋滞を回避するため、大休止。さきほど買い求めた釜飯と味噌汁で夕食代わり。

夕食後、TVでマグロ番組を鑑賞しながら過ごす。やっと車が流れ始めたので、8時に出発。途中市街地では多少の渋滞があったが、約2時間で無事自宅へ到着。いやはや¥1000の魅力は大きいが、往復のスケジュールをちゃんと考えないといけないという教訓でした。

終わり