第六次北海道長期ツアー

第5巻

2009年7月9日〜7月12日

7月9日

待ちに待った「セグウエイ」試乗の日が来た。

午前10時の予約なので、ちょっと早めだったが、8時前に道の駅「なかさつない」を出発。
中札内から芽室帯広ICまでの高速はまだ無料提供中だったので、遠慮なく利用させてもらった。目的地、「千年の森」まで約1時間ほどのドライブ。

それにしても北海道の運転は慣れるまでちょっと大変。とにかく地元の車のスピードは首都高速並みの速さ。そのうえ、ウインカーを出すタイミングが全然違う。交差点の直前3mくらいでいきなりウインカーを出されるので、かなり戸惑う。一般道では右折ラインを設けていないことが多いので、いきなり右折を出されると、ぼけっと運転していると追突しかねない。だから北海道では、2車線あった場合は、ほとんどの車は左寄りのレーンを走っている。どうやら右折の車をよけるのが面倒なので、そうしているようだ。このあたりは駐車する車で左寄りが走りにくい東京とはまったく違う。

北海道に上陸してからすでに2週間経過しているが、いまだにうっかり右寄りを走っていて、右折車に進行を止められることが多い。

さて、本題。

10時の予約だが、最初に保険の同意書の記入、およびマシンの解説などがって、かなかセグウエイに乗車できず少なからずいらいらする。
施設の名前が「千年の森」なので、その解説などもあり、乗車できたのは開始後30分ほど経ってからだった。

セグウエイを間近に見るのは今日が初めて。触ったこともない。解説するガイドがかなり懇切丁寧、かつ慎重。とにかく事故防止の意味もあって最初の注意事項はくどいほど。

乗ってみて分かったが、確かにデリケートなマシンだった。マシン自体が自分でバランスをとるように設計されているので、なにもしなければ倒れることも無く、黙って立っているだけ。ちょっとでも触ると触った方向に動いてしまう。とにかく体のバランスをいかに上手くとるかが勝負。

最初の10分ほどで大体の操作方法を学び、終わっから5分ほど自由走行訓練。これを見ていて大丈夫そうだと判断された人が、運転の上手い順番に並んでいよいよ丘へ登る。
セグウエイは平地で乗車するのは比較的楽だが、坂道の途中でやるのは大変。
左の写真をクリックすると動画が楽しめます。

車が斜度を解釈して勝手に動いてしまうので、絶対に途中で止まらぬようにとの注意を受けていざ出発。
中には丘を登りきれない人もいると脅され、冷や冷やしながらの登り続けた。幸い私は上手いほうから2番目の位置づけ。ま、スキーの体重移動ができれば、そう難しくないと思うが。

ただ、ガイドが私に向かってやたらと「お父さん、おとうさん」を連発するのには参った。考えてみれば私達夫婦以外の参加者は全員20代(多分)ですから、仕方がないのかもしれないが。

途中写真を撮ったり、小川のほとりでテイータイムをとったり、最後に植樹をしたりなど、盛りだくさんなスケジュールであっという間に2時間が経ってしまった。



馬と違って言うことを聞くマシンなので、これははまりそう。
ちなみにこのようなツアーをやっているのは日本ではここだけ。さて代金だが、お一人様¥8400だった。時間単位で比べれば乗馬体験よりは安いし、野山(草原)を自由に走り回るのは爽快の一言に尽きる。ぜひまた来年も来たいと思う。家内も同感とのこと。

セグウエイを終えてから、息子の職場(ラリーの検査場)を訪ねてみた。いちおう仕事をしているようで一安心。
東京から持参した土産を手渡し、検査を受けているラリー車を何台か見てからお別れ。彼はあすからが本番。わたしたちは先があるので、ラリー本番見物は勘弁してもらい、そのまま帰途につくことにした。

函館に向かう前に、家内から風呂に入りたいとのリクエストがあり、再度「十勝川温泉」へ。私のデリケートな肌とはどうも相性が良くないようなので、今回は遠慮させてもらい、公園で一休み。と思いきや、水タンクがだいぶ減ってきていたのでこれを補給する役目があった。ポリの4リットルボトルで公園の水道と駐車場にある車を往復すること5回。やっと満タン。それからグレータンクの排水を行い、終わってからフェリーの予約の変更などしていたら、家内から「風呂は終わった。」との電話あり。こちらは全然休めてないのだが、しかたなく温泉へお迎えに。

これでようやく帯広を発つことができる体勢になった。おっとその前に念のためガソリンを満タンに。従業員に北海道での高速のメリットを聞いたところ、自分たちはまず使わないとのこと。そういえば昨日の夕食の際も、息子の知人のラリードライバーがどちらでも同じと断言していたことを思い出し、わたしたちもコストのかからないほうを選ぶことに決定。

ということで、ナビは一般道、時間優先で設定。

函館まで500キロあるので、今日中に出来るだけ距離を稼ぐべく、午後4時15分帯広を出発。途中難所の「日勝峠」を越えて、午後6時20分、道の駅「樹海ロード日高」に到着。


道の駅のそばにあったラーメン店、「かわぶち」で焼きラーメンなるものを見つけ食べてみた。スープの色が黒い。かなり濃い目のように見えたが、味はそうでもない。どうも麺が違うようだ。蒸してから焼いたものを使っているのかどうか不明だが、家内の普通のしょうゆラーメンの麺とは明らかに色も形も違う。こくがあって旨かった。

今夜のP泊は道の駅にしているが、街道沿いなので、とにかくトラックの音がうるさい。さらに夜中にトラックが入ってきて、エアコンを使うためにエンジンをかけっぱなしにするので、これが尋常でないうるささ。気温が下がってきたら窓をしめるつもりだが、さてどうなることやら。本当はここには泊まりたくなかったのだが、この先は札幌まで道の駅が無い。究極の選択だった。

函館までここからあと350キロ。

7月10日

昨夜はかなりにぎやかな道路沿いに駐車せざるを得なくなり(ここの道の駅はトラック優先のように見える。)、その上 夜中に続々とトラックが入ってきて、エンジンをかけたまま駐車したので、窓を開けられず。しかも一般的な道の駅とは異なり、真ん中のベストポジションがトラック用。乗用車は道路に面した場所のみ!

さぞ寝苦しい一夜になるかと思いきや、疲れていたこともあって、あっという間に寝込んでしまったようで、朝6時まで目覚めることなし。珍しく腕と背中の痛みを感じない。このまま落ち着いてくれるとありがたいなと思っていたが、今現在(午後8時前)まだ好調が続いている。

7時に道の駅「樹海ロード日高」を出発。あいにく昨日とはうってかわって小雨。

前述のとおり、地元の皆さんのご意見では。高速不要とのことだったので、すべて一般道で通した。途中雨が強くなってきたこともあり、あまり無理しないように安全運転を心がけ、道の駅「むかわ四季の館」に8時5分到着。
ここは「ししゃも」が名産。引き続き安全運転で(道産子の車の後についてという意味!)10時15分に室蘭到着。今朝出発してからすでに160キロ走破。この分だと今日中に函館に着けるかもと期待しつつ、1時間に一度休憩時間を取るというペースで11時20分には虻田(有珠山があるところ)に到着。

道の駅「あぷた」にて早めにランチ。家内は案内版にあった「豪華ウニ丼」、わたしは「ほたての串焼き」。虻田は「ほたて」が名産なので、メニューは「ほたて」つくし。私はあまり食欲もなく、体重を何とかせねばという恐れからこれだけにした。ウニ丼は広告の写真ではウニとご飯が別々になっており、しかもウニは例の箱一枚となっていた。それで¥1500!安い!と思っていたが、出てきた箱のサイズは私達が普通目にする箱の半分以下のミニサイズ。これなら納得。

ランチを食べて元気が出たところで、再び車上の人となり、あらためて函館へ。途中大沼を横目に見ながら、午後3時5分、無事函館のフェリーターミナルに到着。

元のスケジュールでは、13日の正午便で戻る予定だったが、予定を2日早めて11日の午後5時半便で帰ることにした。北海道の天気予報もあまり芳しくないので、ちょうどよいタイミングだろう。

とりあえずフェリーの変更ができたので、市内へ。いつもの「金森倉庫」のパーキングに車を止めて、港を散策してから早めの夕食。
明日以降はしばらく風呂無しとなるので、最後の温泉と思い、函館到着早々に行った流山温泉に向った。前回は霧と曇りで何も見えなかったが、今回は晴天で回りの山々、大沼、駒ケ岳が綺麗に見えて、前回とはまったく印象が異なる。夕焼けも見事だった。この分では明日のスケッチが楽しめそうだ。



温泉に入り、車内でメールを書いていたらドアをとんとんと叩く人が。ひょっとしてキャンプ仲間が来たのかと思ったら、温泉の係りで、駐車はキャンプとみなし、キャンプ料を支払って欲しいとのこと。

実はこの温泉の向かい側がテント用のキャンプ場になっている。トイレと流し場もあるので、ここを正式に使えることにる。前回はどうも見逃されたのか気がつかなかったのかもしれない。キャンプ料は¥500也。ただし、キャンプをすると温泉の料金が一人¥200割引になる。ということは二人の場合、¥500−¥400=¥100でトイレと流し場が使えるということ。これで堂々とP泊できることになった。
前回使えた無線LAN、最初は不調だったが、午後8時に温泉が閉まってからつながるようになった。どうやらフリースポットではないようだ。

7月11日

6月29日に北海道に上陸してからすでに2週間が過ぎた。

予定を早めて本日の夕方の便で函館から青森に渡る予定だったが、あいにく今朝の流山温泉は雨。せっかく早起きしたのに、あてにしていた大沼と駒ケ岳は霧の中。これではスケッチは到底無理。

とりあえず函館の津軽海峡フェリーターミナルに向かい、またまた便を変更し、正午発のフェリーで帰ることにした。

ランチは船内で。コンビニで買い求めたサンドイッチと牛乳と昨日買ったグレープフルーツがデザート代わり。さすが土曜日とあって車は満車だった。
それでも二等の客室はまばら。徒歩の客が少ないからだろうか?二等はカーペット敷きのお座敷スタイルで、足を伸ばすというよりは寝るほうが楽。ただし私の場合は枕の高さが問題なので、備え付けの枕では寝られず。ロビーの椅子のほうが楽だったので、二人とも椅子(ソファ)で時々起きては時々居眠りで3時間40分を過ごした。

函館を出航してから2時間ほど過ぎたところで、船の両側に陸地が見え始めた。右手が津軽半島、左手が下北半島。地図で確認すると、この半島の間はかなり狭いことが分った。青森はこの両半島の付け根にあたるので青森県で本州と北海道を結ぶルートとしては一番長いことになる。
函館・大間ルートのフェリーは2時間だそうだが、なるほどとあらためて納得。来年は大間・函館ルートに挑戦してみようと思う。

青森港には午後3時40分に到着。下船までに少々時間がかかり、実際に青森を出発したのは午後3時50分。

ただちに東北道に乗り、「大館」でトイレタイム。その1時間後に、「花輪SA」で小休止。今夜のP泊地である「岩手山SA」には午後6時丁度に到着。

到着してすぐに場内のレストランに直行。食事をしてほっとしたせいか、車に戻ったら二人ともバタンキュー!約1時間ほどお昼寝?さすがに疲れが溜まっていたようだ。
今日は流山から函館経由岩手山のルートだが、走行距離は200キロを越えた。東京までは残り550キロ。後は高速を一気に走るだけになった。 

7月12日

東北道の花輪SAを午前6時40分に出発し、途中1時間ごとに小休止、大休止をとりつつ、午後4時丁度、無事自宅へ帰り着いた。なんとか都議選に間に合った。

今回はひやり、はっとすることもなく(家内の怪我?は別として)、往復青森まで走った割りに危ない目にあうことが無かったことが一番良かったと思っている。

ちなみに本州、北海道を含め、走行距離は3514キロだった。よく走ったものだとわれながら感心している。