第六次北海道長期ツアー

第3巻

2009年7月3日〜7月5日

 

7月3日

久しぶりに今日は雨の無い爽やかな朝を迎えることができた。

ペンションのすぐ前に羊蹄山がそびえているが、まだ中腹から上は雲がかかっていて見えない。風は爽やかで心地よく、朝食は庭のガーデンテーブルに持ち出していただいた。

北海道に上陸してから5日振りの晴天(完全ではないが)を迎えて、いよいよ今日はスケッチツアーを決行。最初に向かったのが岩内に向かうニセコパノラマラインを通って「神仙沼」へ(ニセコの山中でもかなり標高が高い)。

昆布温泉を過ぎるころまでは陽がさしていたが、沼に近くなるにつれ、ついに濃霧の中の走行となり、目的地に到着したときは雨。やはり山の天気は標高によってまったく異なるのを実感。しばらく様子見をしたものの、傘をさしてのスケッチも難しいので、ここでのスケッチは取りやめ。観光バスで到着した一団がめいめい傘をさして見物にでかけるのを横目に見て、山を下ることにした。

中腹まで降りてきたらまた晴れてきた。
「昆布温泉公園」のパーキングに車を置いて、公園の東屋でスケッチを開始。初めて使う絵の具の色の配合が難しく、なかなか思うような色がでないまま終了。家内は慣れたもので、さっさと書き上げていました。やはり一日の長があるなと思いつつ、ちょっと悔しい気持ち。

さらに山をくだり、「ニセコ大橋」まで来たところで、ここの展望台からの景色がなかなか絵になると気がつき、とりあえず駐車場に車止めてチェック。やはり山と森と黄色い橋のコントラストが綺麗なので、次はここで書くことにした。
でもその前に、昼時だったので、ニセコ駅の構内にある「ヌプリ」でランチタイム。
テーブルが昔の足踏みミシンをリサイクルしたものとか、骨董品の柱時計が5,6個も飾ってあるような素朴なお店だが、ちょっと黒味がかったスパイシーなカレーはなかなかこくがあって旨かった。

ランチを食べて元気をつけてから、前記の公園に戻り、第二作の製作開始。今度は今まで使っていた絵の具を使ってみたが、やはりこちらのほうが色の配合に慣れているせいか、色作りにあまり苦労せずに描き上げることができた。家内は出来上がりにややご不満のようで、早くも第三作を考えているようだ。
外の日差しはきついが、絵を書いているのは公園の東屋の中なので、屋根の下は涼しいのを通り越して寒いくらい。描いている最中はさほど気にならなかったのだが、描き終えたとたん、寒さで震えがきてしまい、あわてて陽の下に避難。

しばらく体を温めてから、第三作を目指し場所を移動。今度は「細川たかし」の出身地で有名になった真狩村へ。

自分では景色が苦手だと思っている家内は真狩にある道の駅「フラワーパーク」で花を描きたいとのご要望だ。
巨大な温室があったが、ここにある花は全部売り物!庭にはあまり咲いていない。それでもめげずに描き始めた。私は今日のノルマは終了として車に戻り、明日のルートを検索。しばらくして戻って来た家内の作品をみたら2つも描いていた。やはり花はぱっとしなかったそうで、代わりに頭が見え始めた羊蹄山が描いてあった。こちらのほうがかなり良く描けているように思ったが、ご本人もそう思ったようだ。

これで今日のスケッチ活動は終了。待望の温泉に向かった。「まっかり温泉」(日帰り温泉)へ直行。町営だが、かなり立派な施設で、内風呂と露天もあり、特に露天からは真正面に羊蹄山がそびえるという絶好のロケーション。



また温度がぬるめで適温。思わず長湯をしてしまった。不思議なことに腕と背中の痛みが温泉に入っている時はあまり痛みとして感じないので、その意味でも温泉は欠かせない。もっとも湯船から出たとたん痛みが復活するので、瞬間的な療法ではあるが。それでもかなり癒された。ちなみに料金は¥500。

すべての行事を終えて宿に戻り、前記「ヌプリ」のテイクアウトで買ってきた「ピロシキ」と「道の駅ビュープラザ」で買ってきたトマトとかぼちゃのパンで、簡単に夕食。このホテル(ペンション)はB&Bなので、夕食は自分で手配する必要がある。昨日のように外食するとどうしても量が多くなりすぎるので、昼間ちゃんと食べたときは夜は手抜き。ランチを軽めにしたときは、夕食はがっちりというスタイルをとるようにしている。(昨日は例外)

運転ばかりで運動量が少ないのもいけないのだろうが、先ほど温泉で秤に乗ったら、すでに出発時点よりも1キロも増えているではないか。びっくり仰天!今後はもっと控え目にしなくてはエライことになりそう。

明日は十勝方面をめざすが、景色の良いところがあれば随時スケッチ活動に移行する予定。

7月4日
昨夜はせっかくペンションに泊まったのに、私だけキャンピングカーに逆戻り。

どうもベッドの柔らかさと枕の高さがマッチしないようで一昨日は一晩中腕がしびれて寝られず、たまりかねて昨夜は車で寝ることにした。おかげさまで10時過ぎに就寝したのだが、朝の4時半まで途中で起きることなく熟睡できた。家内は久しぶりにちゃんとしたベッドで2日続けて寝られたことで、かなり元気を回復したようだ。

ペンションの入り口は7時まで施錠されているので入れない。このところメタボ体型が気になるので、久しぶりに朝のウオーキングをした。結果的には朝の4時50分から6時40分まで約2時間の長時間になってしまった。実はペンションの周りを左回りで一周すれば元に戻ると考えて歩き出したのだが、さすが北海道は広い!なかなか左折する道が無い。

果たして元に戻れるのかどうか不安な気持ちを抱えたまま、頑張って歩くこと1時間。ようやく道の駅まであと2kmの看板が見えたときはほっとしたが、その道の駅からペンションまでさらに1kmはあることに気がつき、喜びもつかの間。そこからまた1時間ほどで、ようやくスタート地点のホテルに戻ることができた。
かなり減量できたかと思いきや、後で計ったらなんと400gしか減って無い! 増えるのは簡単だが、減らすのは大変。せっかく旨いものが多い北海道で指をくわえて見過ごすのはうーん!

今日はウオーキングの後でちょっと疲れていたが、とにかく景色が良いところという視点で、朝食を終えてから、昨年に引き続き富良野を目指すことにした。

ニセコから富良野まではかなりあるので、とりあえずカーナビを富良野のキャンプ場にセットして北上することにした。ちなみに北海道では高速を指定すると、とんでもないルートを探索してくれるので、注意が必要。今回もなんと小樽経由のルートを示していた。一般道に比べて50kmも余計になってしまう。

ガソリンを入れたスタンドで聞いたら、北海道では時間最短で探すのが一番とのこと。間違っても距離最短はしないことだそうだ。なぜなら林道まで探索してしまうからとのことだった。

途中道の駅「三笠」で昼食。マーボー豆腐定食をがっちり食べたので、夜は簡素にすることとした。

その後、道の駅「歌志内チロルの湯」を経由して、道の駅「スタープラザ芦別」に到着。

ニセコから約200km。
どうも朝の運動が効いたようで、ちょっとかったるくなったので、今日はここでP泊決定。

お天気は午後から晴れて日差しがきつい。気温もかなりあるようで、室内でも29度あった。窓を全部あけて天井のファンをまわしてようやく2度ほど気温が下がったが昨日とは大違い。

この道の駅には「星の降る里百年記念館」という博物館?がある。内容はかなり広範囲で、スタードームという一種のプラネタリウム(四季の夜空が再現される)から当地の産業(石炭)のマジックビジョン(炭住の一日を描くもの)、先住民の文化、開拓移民の歴史などなど、さすがに有料(¥450)だけあってかなり中身は充実している。道の駅の名前にスタープラザとあるように、ここは星が綺麗に見えるというのがウリのようだ。

夕食は昼間食べすぎたのできゅうりとトマトと味噌汁だけ。
風呂は取りやめにするつもりだったが、食事をしたらさっぱりしたくなり、車で13分ほどのスターライトホテル(国民宿舎)の日帰り温泉、「星遊館」に行ってきた。
風呂の種類も多く露天があったので、さっそく飛び込んでみたが、他に入っている人が居ない。露天入り口の張り紙を見たら、「ここは山中で、蜂、虻が多いので注意してください。」とのこと。ちょっと入ってみたが、虻の来襲でもあったら一大事と思い早々に退去。おとなしく内風呂で過ごした。因みに入浴料は一人¥600。

二人ともさっぱりして道の駅に戻ったのが午後8時。外はすっかり涼しくなった。

今夜は多分?安眠できると思う。

7月5日

朝のうちは曇っていたが、昼前には晴れ間がでてきた。

あいかわらず二人とも早寝早起きなので、朝の軽いウオーキングを終えて、6時40分に芦別を後にした。最終目的地は富良野。

道はすいていて午前7時半にはラベンダーの「ファーム富田」に到着。一通り見て歩いたが、早朝から外国人を含めかなりの観光客がいて、落ち着いて絵をかける雰囲気ではなかった。

ファーム富田には去年オープンした「ラベンダーイースト」があるが、まだ観光スポットとしては認知されていないようなので、こちらに移動。到着した時点では、駐車場が開いていない状況だった。おかげでラベンダー畑の前にあるベンチを占領してスケッチに没頭?できた。二人ともラベンダー畑を前面に置いて遠くに十勝連峰という構図。出来は「うーん!」

「うーん!」の出来では満足できないので、次に「四季彩の丘」へ移動。こちらも観光地化されているが、幸い車を止めた駐車場からの景色が抜群だったので、車の中から窓越に見た景色をスケッチすることにした。
柔らかな、そしておだやかな起伏を彩る沢山の畑がパッチワークのようだ。遠くに大雪山が薄く見える。私はまずまずの出来と自賛。家内は自作にご不満のようだったが。

その後、「新栄の丘」も訪ねてみたが、こちらは観光バスが大挙して訪れるところで、大賑わい。スケッチをしているとおぼしき先客が居るので、そばによってみたら、なんと絵の具に見えたのはお弁当だった。これでがっくりきたわけではないのだが、二人ともやや疲れが出てきて、スケッチする意欲がなくなり、記念写真を撮っただけで帰途についた。
途中、おなじみ「サンタのひげ」でメロンとソフトクリームの合体を楽しんできた。今回はちょっと贅沢に半割りメロンの上にソフトクリームを乗せたバージョン。

お値段は¥1000也。もちろん一人では食べきれないのでスプーンを二つもらって食べたのだが。メロンは夕張メロンではなく富良野メロン。夕張と富良野の味の差は分からない。値段の差はやはりブランドなのかな?


あらかじめ上富良野の「日の出公園キャンプ場」を予約しておいたので、途中でスーパーによって食料を仕入れ、早めにキャンプ場にチェックイン。久しぶりの晴天だったので、車の布団を干すことに。せっかく自分で使うために出したテーブルと椅子は布団干しの台になってしまった。


その後私は面倒なので、風呂にはいかず場内のコインシャワー。家内はお気に入りの冷泉のある「フラヌイ温泉」へ。

夕食を外で食べようと支度を始めたらなんとにわか雨。あわてて布団、テント、テーブルと椅子を撤収。車内で食事を始めてしばらくしたら夕焼けになってきた。ちょっとあきらめるのが早すぎた!
明日は体調次第。また一日ここでお世話になるかもしれないが。