直線上に配置  
   九州ロングツアー記  
2006年10月29日〜11月12日 
 
  去年から企画していた九州ロングツアーですが、今年ようやく実現の運びとなりました。
実施したのは10月29日から11月12日までの2週間。

行程は陸路で東京から神戸.へ。神戸からフェリーで新門司へ。門司から唐津経由佐賀。佐賀のバルーンフェスタ会場に4泊。 その後、柳川、伊万里、有田、長崎へ。 島原を経て熊本経由阿蘇、九重へ。湯布院から佐賀関へ向かい、フェリーで佐多岬の三崎へ。四国を横断して、淡路経由、名神、東名を走って東京へ戻りました。フェリーを除く全走行距離は2600キロ! やはり九州は遠い!!!

さて道中の方ですが、何と言っても今回の目玉は佐賀の「バルーンフェスタ」でした。
10月29日(日曜日)に石神井公園の自宅を出発し、陸路で東名、名神を走り、神戸からフェリーに乗り新門司には10月31日の早朝到着。

本題とは関係無いのですが、前夜P泊した足柄のサービスエリアで、朝になったら外で頭をぺこぺこしている二人組みが居ます。私は無視してパソコンのメールチェックをやっていましたが、家内が「何か用があるみたいよ!」とのコメントあり。何事かと思ってドアを開けたら、NHKの取材とのこと!「ドキュメント72時間」という番組でたまたま東名高速のサービスエリアを取材中でした。どうも番組とは関係なく、キャンピングカーには興味があったらしく、車のすべてを撮影しておりました。

(注)放送予定は11月28日(火曜日)午後11時〜11時30分、NHK総合ですが、果たして放映になるのかどうか?

この影響で出発が遅れましたが、午後4時ちょうどに六甲アイランドの「阪九フェリー」の乗り場に到着。フェリーの所要時間は12時間。しっかりシルバー割引を適用してもらって20%引きとなりました。二人ともシルバーですから、こういうときは得ですね。

初目
新門司から佐賀まで直行し、親戚の薬局へ向かいました。ちょうど天皇陛下のお見送りがあるとのことで、挨拶もそこそこにお見送りの列に招き入れられました。郷に入っては郷に従えという言葉もありますので、薬局の皆様方と一緒に美智子妃殿下に手を振ってお別れしました。
今回のグルメはなんといっても評判の高い「呼子」の生きイカです。現地の皆さんに情報をいただき、結局「河太郎」に行きました。生簀で泳いでいるイカがそのまま生き作りで出てきます。これを最初は刺身で、次に残った部分(ゲソと剣先と裏側の部分)をてんぷらでいただきました。家内は海鮮にはうるさいのですが、こりこりしてさっぱりとして口の中が心地よいとのコメントでした。わたしはてんぷらが予想外に柔らかく、ジューシーとの感触を持ちました。ご飯があっという間になくなりました。

ランチのあと、「名護屋城跡」を見物。恥ずかしながら豊臣秀吉が「朝鮮征伐」を試みたときに、ここ唐津にこんな巨大は城を築いていたとは知りませんでした。ここには「県立の名護屋城博物館」がありますが、案内には日本語と韓国語が併記してありました。どうも聞きなれた声が聞こえるなと思ったら、なんと韓国人のツアーが来ていてガイドが韓国語で案内してました。われわれは「朝鮮征伐」と習いましたが、さすがに韓国との交流が盛んな土地柄で、そのような表現は無く、一貫して秀吉の野望による不当な侵略との表現でした。

さらに日本の教科書と韓国の教科書が翻訳付で並べて陳列してありましたので、一通り目を通しました。これを見ると侵略した側とされた側の意識の差がいかに大きいかが一目瞭然でした。日本の教科書が1ページの4分の1しか割いていないのに対し韓国は4ページもあります。いささか忸怩たる思いで博物館を出ました。入館料は無料でしたが、立派な施設でした。

今夜の宿?は名護屋城跡の前にある道の駅「桃山天下市」にするつもりでしたが、まだ10月31日だったのを思い出して、今日まで営業しているはずの「波戸岬キャンプ場」を当たり、滑り込みで間に合いました。広いキャンプ場に私たちの車一台だけ。岬の突端にありますので、目の前が玄界灘、遠くに島がたくさん見えます。さきほど真っ赤に熟れたトマトのようなまん丸の太陽があっというまに沈むのを目撃しました。

2日目
波戸岬のキャンプ場で、すがすがしい朝を迎えました。
今日は焼き物三昧で過ごすことになってましたので、まず伊万里へ。伊万里は秘窯の里、「大川内山」です。
ちょうど焼き物祭りが開催されており、3割引きのセールをやっていた関係で、平日にもかかわらずかなりの人出でした。ここには一箇所に窯元が集中しておりますので、見物兼買い物にはとても便利です。焼き物には目が無い家内は文字とおり一軒残らず見るつもりですので、付き合うのが大変。まずメインストリートの左側のお店を一軒づつ訪ね、終点まで行ったら引き返して反対側を見るという寸法です。
写真は町の入り口にある陶器の橋です。
自家用の小判型の皿を二枚お買い上げ。(同じものが「難あり」になると半額以下!との店主のアドバイスあり、当然そちらを選択。難といってもちょっとわからないくらいのドットがある程度。)さて、これを割らずにどうもって帰るかが問題。キャンピングカーの車内は狭いのです。途中の休憩所で、おにぎりとお茶で簡単にランチ。わんちゃんが餌をも貰えるのではとづっと傍を離れないので、困りました。

一度休憩するとどっと疲れが出てきて、ついに私だけお買い上げの品物を持って車に戻りました。さすがに運転疲れと睡眠不足で、少々バテ気味です。

家内は一人ゆっくり見物ができたようですが、さすがにお疲れモードで、予想より早めに戻ってきました。とにかく目の保養ができて楽しかったそうです。いい物は高いということがよーくわかりました。 買いたいものはたくさんあれど、金額と収納場所を考えてやめたそうです。

しばし休憩の後、有田に向かいましたが、有田は伊万里と違って窯元が点在しており、また駐車スペースが限られているため、街中には駐車できませんでした。仕方なくガイドブックにあった「有田ポーセリンパーク」に行きました。が、これが失敗。ここは焼き物というより、食べ物や、みやげ物やのモールになっており、目玉は外見だけツビンガー城を真似た城(結婚式場と展示場)でした。ま、いちおう記念撮影と、今夜の夕食用の材料だけ買い求め、早々に退散。
焼き物めぐりはこれで終了。今夜からいよいよ「バルーン会場」です。日のあるうちに早めに会場に到着。ちょっと休憩していたら、なんと数十機のバルーンが空を覆いつくしてます。こんなにたくさんのバルーンを一度に見るのは初めてです。まだ競技に入っていないはずですので、トライアル中でした。

会場の駐車場はキャンピングカー専用となってますが、ここは河川敷を臨時にロープで区切っただけの代物で、簡易トイレはありますが、水場がありません。ここで日曜日まで過ごすことができるのかどうか不安です。こんなことならポリタンクを満タンにして持ってくるんだったと反省しきり。

3日目

バルーンフェスタですが、朝一番で競技開始、午前7時を期して83機のバルーンが一斉に離陸しますので、これを見るために、5時に起床。6時半に広大な駐車場を巡回する無料バスに乗り込み、そのまま会場へ。会場といってもバスが止まるのはかなり手前になりますので、バス停から観覧席までは徒歩10分。
間近に見るバルーンはかなり大きく、それが団体で係留されているのを見るだけでもかなりの迫力です。しばらくたつと、一機、また一機と次々に離陸してゆきます。熱を出すためのバーナーのオレンジ色の炎が朝もやに映えてとても鮮やかでした。またかなり離れていてもバーナーを吹かす時のゴーという音もすごかった。

これは地上でバルーンを広げた状態。

空気を入れて少しづつ膨らんでいく様子。
一機、また一機と飛び立ちました。

瞬く間に空をバルーンが埋め尽くすという状況になりました。色とりどりのバルーンが頭上に覆いかぶさる状況はすばらしいものがあります。待望の瞬間でしたので、感激もひとしお。これだけで遠路はるばる来た甲斐があったというものです。

バルーンがすべて飛び上がるまで見送り、その後で広大な会場を視察?しました。場内には食べ物を中心とする屋台が無数(本当に数え切れないほど!)出ており、それ以外にも佐賀の物産館、うまかもん市場、スポンサーのブース、お土産ショップその他たくさんのコーナーがあり、見てあるくだけでも一日仕事です。

参観を記念して公式グッズであるTシャツをおそろいで購入。家内のSサイズが売り切れでしたが、ハードネゴシエイターたる家内は店頭に飾ってあった現品でかまわないから安くしろと鋭意交渉の結果、200円割り引きさせてました。

キャンプ生活も5日を過ぎ、そろそろ衣類が足りなくなってきました。それに3日ほどお風呂に縁がありませんでしたので、衣類と体のクリーニングということで、車を置いて佐賀まで足を伸ばし、立ち寄り湯とコインランドリーに行ってきました。風呂は一応温泉でしたし、湯の温度も低めに設定してありましたので、「極楽湯」という温泉の名前とおり極楽気分でした。

温泉の後で、コインランドリーに向かいましたが、待ち時間の間に昼飯をすませることにし、たまたま見つけた「いず美」というフレンチレストランに入りました。地元の若い奥様方で満員でしたので、あまり期待はしていなかったのですが、良い意味で大きく期待を裏切られました。ここはオープンキチンで、カウンターに座ったのですが、目の前でシェフが手際よく盛り付けをしてました。で、問題の味ですが、これが予想外にグッド!前菜も手が込んでおり、メインもちゃんとオーブンにセットし、盛り付けもピシッと決めて、時間とおりに目の前に並びます。コーヒー、サラダがついて、1050円也。これは二重丸でした。お隣の方が召し上がっていたデザートがおいしそうでしたので、割り増し料金300円を追加して、わたしたちもお願いしました。これも見た目も味もなかなかのもの。食事の後、「バルーン会場で変なものを食べなくて良かったね!」と二人で顔を見合わせた次第。

番外編 「唐津くんち」



いったん、洗濯物を持ってバルーン会場に戻り、次の目玉である唐津の「くんち」へ出撃しました。昨日親戚から薦められた宵山を見るためです。昼間快晴だったのに、唐津に到着したら突然の雨降りで、一時はどうなることかと危ぶんでおりましたが、曳山(山車のようなもの)が動きだす頃になって雨もあがり、無事に曳山が練り歩く様子をみることができました。昼間と違って夜は提灯の飾りつけがあって、ライトアップされた曳山は昼間とは違ってより鮮やかな色使いがはっきりとわかりました。曳山の色と引き手の掛け声に圧倒されたひと時でした。その迫力と壮観さは、なかなか文字では表現できませんので、上記写真でご確認ください。


4,5日目

昨日深夜に笠岡のダデイーさんが到着し、寝坊してちょっと遅めに出発したため、100機を越えるバルーンが一斉に離陸するのを見逃しました。もっとも前日着陸するところを見てましたので、それほどがっかりはしませんでした。むしろ残っていたマスターズクラス(50歳以上)の5機の気球を平べったいところから、膨らませて飛び立つまでをじっくりと眺めることができ、これは良い経験でした。キャンピングカーと違ってかなりの応援部隊が無いと、駄目だということがよくわかりました。

ところで、この会場にはいろいろな種類の屋台(主として食べ物)、物産館、土産がありますので、朝、昼、夜と全部外食も可能です。驚くことに屋台も午前6時には大半のお店がオープンしてます。早朝の競技に間に合わせるため、その前に見物に良い位置をキープする必要があります。普通は5時過ぎには出発しますので、必然的に朝食は6時から営業してないと意味ありません。

ただ毎度外食では飽きますので、夜はキムチ鍋もどきとイカの一夜干しを焼いて豪華夕食としました。材料がすべて整うわけではありませんので、適当に入手可能な食材でチャレンジ。出来はまあまあ、仲間も寒いので体が暖めると褒めて?くれました。

写真はダデイーファミリーと。

さて今朝は風の方向に問題あり、気球は他の場所で離陸して、この会場に設置したターゲットめがけて飛んできて、正確にマーカーを落とす競技でした。しばらく会場で待機しておりましたが、やがてはるか彼方から無数の点に見えていた気球が一斉に飛来してきました。風まかせとはいうものの、パイロットが巧みに気球を操り、それぞれ異なった方向からアプローチしてきます。
中には観客席の真上、文字とおり手が届きそうな低空飛行するのもあって、これはなかなかの迫力でした。もちろんパイロットの顔も確認できますし話もできるくらい。

中にはこんなユニークな形のバルーンもあります。

下の写真をクリックするとムービー(ブロードバンド対応)がご覧になれます。



一斉離陸の準備中の様子(992KB)






空一杯に舞い上がった様子(900KB)
ところで皆さん、気球ってどのくらいのお値段がご存知でしょうか? 解説者の話だと一般的な形の気球で500万円くらいだそうです。ほぼ一般的なキャンピングカーのお値段と一緒です。

違うのは一人でやるスポーツではないといことでしょうか。乗るのは一人でもできるでしょうが、これをバックアップするチームの編成、維持が大変だと思います。気球を運ぶための車両、飛んでいった気球を追いかける車、運転手等々。ちょっとやってみたい気はありますが、どこかのチームに入らないと無理そうです。家内からやりたくなったんじゃない?と厳しくチェックされましたが。

さて今日のハイライトはなんといっても「モンゴルフィエ・ノクチューン」(夜間係留)です。

左の写真はホンダのアシモです。

これは気球が飛び上がらない程度に立ち上げ、バーナーを吹かすと、気球に内部照明を入れたようになります。昼間はどうということがないのですが、夜間はこれが見事にライトアップされたように綺麗になります。今夜は大会参加の全バルーンの半数以上(60数機)が河原を埋め尽くしました。これが司会の合図で一斉に火を点すとこれは壮観です。

下の写真をクリックするとムービ(ブロードバンド対応)ーがご覧になれます。


夜間係留の点灯の様子(928KB)

司会の女性が「1,2,3バーナーオン」と叫ぶと63機のバルーンが一斉にゴーというバーナーを吹かす音とともに点灯します。色も形もさまざまなバルーンが会場一杯に広がります。これはやっぱり見ておいてよかった! でも見物後の足がなくなり徒歩でキャンプサイトへ。約30分のウオーキングでした。

例年この時期天候が不順で、昨年も風船を立ち上げられず、バーナーの音だけだったそうです。今年は1日から今日、4日までずっと晴天が続き、私たちは本当についていると言われました。去年も見にきたかったのですが、スイス旅行で資金不足になり断念したのですが、今年に延期して正解でした。


6日目
バルーン会場滞在も今日で5日目、最終日となりました。今日こそ一斉離陸を見ようと早朝から待機。

離陸は午前7時20分から8時の間に参加バルーン83機が準備出来次第飛び立つ姿が見えるはず。空を飛んでいるのは何度も見ていますが、全部が河原に広がって順次飛び立つ光景は初めてですので、かなりの期待感を持って待ちました。朝食用のスナックは途中で調達しておきました。幸い、観覧席の最上段にちょっとスペースがありましたので、ここに用意してきたキャンプ用の携帯椅子を設置。さすがに朝はかなり冷え込みますので、冬用のダウンウエアは必須です。

広がっていた球布に熱風が注ぎ込まれます。最初は平べったい気球がだんだんと姿を変え、芋虫状から球体へ。最後にふわりと垂直に立ち上がります。この瞬間が感動的です。気球だけ見ていると優雅ですが、籠に群がる人たちは用意する前に飛び上がらぬよう、大慌てで押さえつけています。ちょっと風がふけばふらふら動きますので、これは結構大変そう。そうこうするうちにグリーンライトが点いて、いよいよ離陸開始。


隣同士がかなり接近しておいてありますので、飛び上がるときは結構ニアミスがあります。隣の気球をこすりながら上がるものもあって、ハラハラさせられます。

83機が次々に舞い上がる光景は本当に感動的でした。
いったん上昇するとかなりのスピードで高度を上げ、瞬く間に空いっぱいにバルーンだらけになりました。見渡すかぎりの空がバルーンで埋め尽くされる姿は形容のしようがありません。写真に撮ろうとしても枠の中に納まりません。これはやっぱり目に焼き付けるしか手がありませんでした。

表現力の乏しいところは毎度のことですが、雰囲気は写真でどうぞ!


楽しかったバルーンもこれで終了。5日間もここにとどまっていたなんて、とても実感できませんでした。平凡な言い方ですが、あっという間に終わってしまった印象です。お土産に車に貼るステッカーと帽子につけるバッジを買いました。また来年も来られるといいのですが、どうなりますやら。

バルーン見物から戻って、あわただしく出発の準備。
3日間一緒だった仲間ともここでお別れ、彼らは久留米のご親戚へ。わたしたちは「柳川」へ向かうことにしました。

本当は吉野ヶ里遺跡公園に行く予定でしたが、回りからどうせ行くなら「柳川の川くだり」と「うなぎのセイロ蒸し」をセットで楽しんだほうが良いとのアドバイスあり。人の意見に左右されやすい私たちはすぐに方向転換。午前中に柳川に到着し、すぐに川くだりを楽しみ、その後で予定とおり「福柳」でうなぎのセイロ蒸しをいただきました。

川くだりは「お花」と称する柳川城跡をめぐる掘割を一周するツアーですが、山陰の松江城の堀川めぐりに比べると、堀の周囲の姿がぜんぜん違います。普通の家が立ち並んでいる間をめぐるわけですので、わたしとしてはあまり風情があるとは思えませんでした。

でも「福柳」で食べたうなぎは最高! うなぎそのものよりも、タレがしみこんだご飯が蒸しあがって熱々をハフハフしながら頂きますが、これが旨かった。タレにまみれた?ツヤツヤのご飯は一目見ただけで旨そう。うなぎ無しでご飯だけでもおいしいだろうな。

柳川見物(グルメ?)を終えて今夜の宿探し。いままで水に不自由してましたんで、水が使えるキャンプ場を選びました。場所は「長崎県民の森キャンプ場」です。ここにたどりつくまでの県道57号線はすれ違い不可能な一本道を30分ほど走った終点にあります。たまたますれ違ったのが軽自動車一台だけでしたので、何とかなりましたが、ほかの車だったら?と思うともう二度と走りたくはありません。後で分かったのですが、実はもっと広い道がありました。

キャンプ場は県直営のキャンプ場らしく高規格でした。それぞれのサイトに電源、水道(炊事場)が付いています。途中道に迷いながらも午後5時10分には到着できました。

左は車内の様子です。

7,8日目

長崎のキャンプ場を出発。夜半猛烈な雨と風と雷で熟睡できませんでした。どうやらサロマ町を襲った低気圧だったようです。

朝になったら雨もあがりましたので、キャンプ場を出て、途中コインランドリーでたまった汚れ物を洗濯。最近の洗濯機は洗剤、柔軟材も自動的に挿入され、一挙に乾燥まで片付けてくれますので、便利になったものだと感心しきり。1時間半くらいかかってようやく終了。

長崎にはお昼頃に到着。駐車場がグラバー邸(園)の近くでしたので、大浦天主堂の際にある食堂で、定番の「ちゃんぽん」と「角煮丼」を注文。これらはここの店の注文トップ5の1,2位でした。ちゃんぽんは話の種にと思って食べたのですが、麺の太さが中途半端で私の趣味ではありませんでした。味もキャンプ場で仲間が差し入れてくれたほうがよほど旨かった。家内の角煮丼は自分の作った角煮のほうがこれまたよほどおいしいとの評でした。よって二人とも感動なし!

食後「グラバー園」に立ち寄りましたが、これが意外というか、がっかりというかいささか期待はずれでした。昭和39年に大学の卒業旅行で訪ねたことがあったのですが、そのときとは大違いでした。まず園内の建物の数がまるで違うこと。当時は記憶違いかもしれませんが、グラバー邸しかなかったと思います。また園内にはエスカレーターと動く歩道がたくさん設置されていたこと。お年寄りや体の不自由な方達には便利だと思いますが、いささか風情に欠ける存在。
眼下に見下ろす三菱重工の姿は昔と同じでしたが、並んでいる(建造中)の船ははるかに大型化されてました。
園を出たら二人とも急に疲れが出てきて、もう長崎観光は続行不可能!どうやらバルーン疲れが今頃でてきたようです。ここでカステラを食べながら協議の結果、人と町に疲れたので、長崎見物は飛ばすことにしました。


陽のあるうちに温泉に入って、次の宿泊地を目指すことにしました。次は雲仙、島原です。午後5時半頃にようやく雲仙の日帰り温泉に到着しましたが、調査不足で午後6時閉館とのこと! やむなく島原へ。6時過ぎにようやく予定していた道の駅「みずなし深江」にたどりつきました。近所に温泉があることは確認できましたが、もう気力なくそのまま就寝。

昨夜の寒さで二人とも睡眠不足気味で起床。今日はちゃんとした宿に泊まるということで、阿蘇のペンション「風の丘野バラ」を予約。
島原から熊本へは「オーシャンアロー」という快速フェリーで約30分。沖縄の修学旅行の中学生と同じ船でしたが、いやもうにぎやかなこと!低気圧が通りすぎた後とあって、海は時化ておりかなり揺れました。いつもなら船酔いするところですが、今回は30分の乗船とあって、無事に熊本上陸を果たしました。

熊本からはとりあえず阿蘇を目指しました。阿蘇でも一番雄大な景色を拝めるところとして「草千里浜」を選択し、ここに直行しました。ところが急に冷え込んだということで、なんと気温5度。熊本港では暑くて重ね着したシャツを脱いだのに、ここではシャツどころか、ダウンウエアを着てもまだ足りないくらい。本当は中岳まで行ってすこし歩くつもりでしたが、低気温と強風で気持ちが萎えてしまい、ほうほうの体で草千里を後にしました。

昼に食べた熱々のうどんと暖かいおにぎりのセットが旨かった。寒さも調味料のひとつだと再確認した次第。宿にチェックインするにはまだ早かったのですが、早く熱い風呂に入りたい一心でペンションへ直行。のつもりが道を間違えました。でもおかげで名水100選の「白川水源」で天然ミネラルをゲットすることができました。ラッキー!

チェックインしてさっそく貸しきり展望風呂へ。午後4時ですから、もちろん一番風呂。適当な温度(ぬるめ)で最高!

夕食は前菜から始まって8種盛りのデザートで終了するフルコース。名水を汲んだ後で立ち寄った茶店で食べた田舎ぜんざいのお餅を全部食べてしまったのが敗因で、とても食べきれません。結局ペンションの名物スペアリブはお持ち帰り用に包んでもらう始末。もっともこれで明日からのキャンプ生活にすこし潤いがでるでしょう!


9日目

ペンションの窓から阿蘇の外輪山が朝日にはえてくっきりと見えました。でも気温はかなり低め。朝食は焼きたてパンをメインに大盛りのサラダとマンゴーゼリーとコーヒー。手作りのパンがとても香ばしくおいしかったのですが、例によって量が多いので、半分残してお持ち帰り用にしてもらいました。

朝9時頃にペンションを出発。とりあえず宿のオーナーから教えてもらった阿蘇の見所(穴場)、「俵山展望台」を目指しました。昨日とは違った角度からみる阿蘇の中岳は見ごたえがありました。ただ頂上には風力発電のタワーがたくさんあるように、風が強いうえ、あまりの寒さで長居はできませんでした。

ところで前日、間抜けな話ですが、阿蘇で車に乗り込むときに、うっかり路肩が道路面よりもちょっと高いのを失念して、いつものようにエイヤっと乗り込んだため、窓枠に頭をしたたかぶつけてしまいました。帽子をかぶっていたにもかかわらず、こぶと打ち身とすり傷ができてしまいました。とりあえず消毒はしましたが、痛みは消えません。やれやれ。

さて、今夜の宿をどうするか検討の結果、とりあえず湯布院方面に走ることにしました。「やまなみハイウエイ」の途中にある九重の長者原(ちょうじゃばる)でランチタイム。レストランをいろいろ当ってみましたが、昨日から食べすぎであまり食欲もありませんでしたので、軽めにすることに。おにぎり弁当とおでんという組み合わせ(二人合わせて一人前)にしました。店の中でなく久住山を見上げる裏庭のベンチで食べたランチは爽快でした。

あまり景色が良くてお天気も良かったので、今日はここで泊まるとことに決定。付近の県営の「くじゅうやまなみキャンプ場」にしました。ここはサイトからの景色も良いこと、サイトに電源と流しがあり、しかも温水シャワーが無料で午後10時まで使えました。

とりあえずキャンプ場にチェックイン手続きはしましたが、まだ陽も高いので、すぐそばにある「タデ湿原」を散策してから、やまなみ牧場の「まきばの湯」温泉に行ってきました。まきばとあって牛乳風呂なんてものもありましたが、せっかくの温泉ですので、露天風呂をエンジョイしてきました。温度は高からず低からず、真昼間から入る露天風呂はやっぱり最高!気温は低めでしたが、上半身を湯から出していても、それでも寒さは感じませんでした。風呂からでても体がポカポカしていて、冷たいものがほしくなるほど。そこで得意のソフトクリームです(今回のツアーでは島原からのフェリーで食べて以来二度目です)。牧場ですので、こくのあるソフトクリームとミルクをセット(これで二人分です)でいただきました。ソフトクリームはとても濃い味でした。

TVで日米野球第5戦を見ながらレポートを書いていましたが、やはり電気がふんだんに使えるというのは楽ですね。
 
10日目
本日も快晴、でも少し風があって朝は冷気が体をしゃきっとさせます。

今日はツアーに出てから初めて家内が絵を描く余裕がでてきたため、午前中は九重の長者原に滞在して絵描きに専念してもらうことにしました。ここは久住山のふもとに位置しており、まわりは文字通りススキの原っぱですので、格好の絵の題材だそうです。絵ごころの無い私にはよくわかりませんが、たしかに景色はすばらしいと思います。山の中腹のあちこちから噴煙(蒸気)が盛んに立ち上っているのが珍しいと思いました。

午前中いっぱいかかってようやく水彩が一枚できたみたいです。絵を描いていると人が寄ってきて、いろいろコメントするのがうっとうしかったみたいで、ご本人はもうひとつ乗り切れなかったと一人前のことを言っておりました。このころから気温が上がって、22度くらいになり、直射日光がまぶしく暑く感じるようになりました。

午後は昼食をかねてNHKの朝ドラで有名になった「由布院」にでかけました。長者原からは1時間半の距離です。やはり予想していたとおり、あまり大きな町ではなくてキャンピングカーがとめられる駐車場がありません。あちこち回ってようやく酒屋さんの店先の有料駐車場にとめることができました。最初は店のおかみも「はいはい500円です!」と愛想が良かったのですが、車を見たとたん態度が急変。こんな大きいのを店先に置いたら、ほかの客がわからなくなると苦情を申し立てられました。「はるばる東京から来て困っているので、お願いします。」と参拝九拝してようやくOKをもらいましたが、料金は100円アップして600円になりました。



ちなみにほかにも乗用車用の駐車場はたくさんありますが、すべて入り口にあるゲートが低いので背の高いキャンピングカーは入れません! どうやらトラック対策ではないかと思いますが、日本全国どこでも同じ状況。キャンカー乗りが一番泣かされる問題です。

ようやく車を止められましたので、勇んで昼飯の探索にでました。おかみさんの気が変わらないうちにさっさと車を離れようとして、あわててガイドブックを車内においてきてしまって、店の名前も場所も覚えていないありさま。 

家内は限定50食の「こだわりのステーキ丼」に未練があったようですが、第二案として考えていた同じく「こだわりの野菜カレー」のお店を発見。ここで肥後牛と野菜のビーフカレーを注文しました。スパイスは利いていますが、私たちにはもうひとつコクが足りないように思いました。家内いわく、私が作ったカレーのほうが数段旨いとのことでした!(もちろんお世辞です。) このような雑誌の記者はちゃんと試食してコメントを書いているんでしょうか?やっぱりおいしいものは自分で確かめるしか方法はないのでしょうが。

ところで由布院の町はテレビで見ていたような落ち着いた雰囲気は無くて、メインの湯の坪街道には女性向けの小物、ブテイック、お土産屋さんとおしょうゆ、おせんべいのお店が混在していて、なんとなく出来損ないの清里というイメージを強く持ちました。歩いている人たちも若い女性が多く、それも独特のファッションセンスで闊歩してました。今まで持っていたイメージが急落。あまり長居をするところではないなとの結論に達し、家内が希望していた「シャガール美術館」を最後に由布院を後にしました。

残念ながらシャガール美術館は小物だけで大きな作品はありませんでした。チューリヒの「クンストハウス美術館」でモネ、ピカソ、シャガールの大作を目にしていたため、期待感とにかなり落差があったらしく、家内はかなり落胆してました。

予定していた「竜門の滝AC」は、キャンプ場というよりは工事現場的な雰囲気で、早々に退散。前もって調べておいた道の駅「由布院」に戻りました。途中、休業中の日帰り温泉に宿のご主人の好意で入れていただき、これはありがたかった。

左は道の駅にて


11日目

由布院を出発し、途中佐賀関から「国道九四フェリー」で佐多岬の三崎港へお昼過ぎに到着。その後、一路高速を経由して夕方愛媛県の石鎚サービスエリアにたどり着きました。

写真は由布院を見下ろす狭霧台にて。

佐賀関にした理由はまた門司まで戻るのももったいない気がしたことと、この際幻?の関サバと関アジを食べておこうという魂胆です。
道の駅「佐賀関」のレストランには午前9時半に到着。予想より早い到着でしたので、昼飯には早すぎるし、どうしたものか思案しましたが、やっぱり誘惑には勝てず、刺身盛りとくろめの味噌汁だけという妙な注文をすることにしました。もちろん生魚には弱いわたしが味噌汁だけ!魚が駄目な私がいけないのですが、いつもながら家内との価格格差には泣かされます。


お味のほうは魚特有の臭みが全くないこと、身がとても締まっていたこと、切り身が厚くて食べこたえがあったことだそうです。いままで食べたことのない食感がすばらしかったとのこと。くろめ汁はなめこの海草版といった感じで、わたしの好み。ま、これ以上のコメントは特になし。


佐賀関から佐多岬までは直線距離でわずか19キロだそうで、所要時間は70
分。あっというまに到着でした。
船中ではスペイン人の男性としばし懇談。彼も久しぶりに会話ができたことを喜んでわざわざ連れ合いを連れてきて会話に加わらせたほど。関サバと関アジを説明するのが難儀でした。なにせ彼らのボキャブラリーにはホワイトフィッシュとレッドフィッシュしかないので、とても関アジの詳細は説明はできませんでした。要するにブランドフ
ィッシュであること、大きさが並みのものよりはるかに大きいことだけは納得してもらいましたが。


ささやかな国際交流の後、途中でランチタイムの休憩をとっただけで、一路高速の松山道を爆走。夕方4時にここ「石鎚SA(小松オアシス道の駅)」に着きました。途中弟から携帯メールでここの温泉が6時までと教えてもらい、どこにもよらず直行しました。

せっかく早めに到着しましたので、すぐに風呂に入り、そのあと、これまた弟からの情報で無線LANが使えるとのことで、早速チェック。館内では問題なくつながりましたが、ひょっとして屋外でも使えるのではないかと思い、こちらも念のためチェック。たまたま情報館のすぐ前に駐車した関係で、車内からもアクセスができることが確認できました。すべてのサービスエリアで使えるようになると便利なんですがね!

これで今回の九州ロングツアーは終了です。あー、疲れた!