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   みちのく二人旅  
2004年9月28日〜
 
 

今回は一人旅ではありません。久しぶりに家内同伴となりました。一応彼女の希望を聞いて(聞いたようなふりだけですが)、目標は秋田県の角館、田沢湖、岩手県の陸前高田に設定しました。

9月27日(月曜日)の夕方、霧雨の降る中勇躍自宅を出発。 霧雨が降ったり止んだりして運転がやっかいでしたが、何とか頑張って9時過ぎに東北道の「那須高原サービスエリア」へ到着。夕食は途中で購入した「餃子まん」と「チンジャオラオスまん」を車の中でいただきました。いずれも妙なものでしたけど、ボリュームたっぷりで餃子まんは半分で十分でした。この日は運転疲れでそのまま就寝。

翌朝は朝日がまぶしくて目が覚めました。昨日とはうって変わって快晴です。朝食もそこそこに出発。途中、「長者原S」Aで食べた「ジャージー乳ソフト」はミルクが濃くてかなりいける味でした。
丁度お昼に東北道最後のSAである「前沢SA」に到着。今夜の夕食は家内が家で用意しておいたチャーシュウー、けんちん汁まがいプラスαを夜食べる必要がありますので、軽めにすることに。食欲と戦いながら、間をとって?大海老そばを頂きました。名前通りの大海老天ぷらにはびっくりものでしたが、お値段が何と650円也でこれにも大感激。東北の物価の安さに大いに期待を持ちました。

「北上Iジャンクション」で東北道から秋田道へ転針。ここからは片側1車線の対面交通になりますので、かなりスリルがあります。交通量が少ないためか、皆さんスピードは4車線並に飛ばしてますので、油断できません。そうこうしているうちに「大曲IC」に到着、ここで一般道の105号線へ。角館経由で田沢湖へ向かいます。今晩は田沢湖オートキャンプ場で一泊します。途中で予約のため電話を入れたら秋田弁丸出しで係りのおばさんから予約?と笑われてしまいました。いまどき平日キャンプする人なんかいないから、そのままおいでとのこと。午後4時に現地着。本日の走行距離423キロ。一日の走行距離としてはついに記録更新しました。ちなみにガソリン1リッターあたりの走行距離は約8.5キロ。かなりの好成績を収めることができました。  

「田沢湖オートキャンプ場」は係りのおばさん一人で泊り込みで管理しているとのこと。泊り客が私たち一組だけだということもあって、大変親切でした。携帯電話が圏外ということで長距離電話を2度も借りましたが、無料で使わせてもらいました。 わざわざサイトまで近隣の観光地図を届けてくれたり、ついでにマヨネーズまで寄付してもらいました。キャンプ場はまだ出来てから日が浅いせいか、トイレも流し場もシャワー室も豪華で大変綺麗でした。サイトは前面芝生で、湖を見下ろす景色も最高です。
風呂は隣接している田沢湖ハーブガーデン・ハートハーブ内の「ハーブの湯」が300円で使用できました。(キャンプ場の割引券使用)。残念ながら温泉ではありませんし、露天もありませんが、使い勝手の良さから文句は言えません。

今朝は朝から今にも降りそうな曇天で、予報でも午後から雨とのことでした。キャンプ場の管理人さんに確認したところ、「秋田駒ケ岳」登山は折角登っても景色が悪いから止めたほうが良いとのこと。もっともこれを理解するのに大分時間がかかりました。純粋秋田弁は外国語並に難しい。年寄りの方言に強い家内も閉口してました。

そうは言っても、せめて途中までと思い、八合目目指してドライブしました。ところが、途中から道幅は狭くなるし、キャンピングカーではとても登れるような坂道ではなくなりました。といってUターンできるほどの道幅はありませんので、やむなくバックで数百メートル下る羽目になりました。ここで天才的なドライビングテクニックを披露することができました! 

結局、登山は完全にあきらめ、温泉巡りに方向転換しました。すぐそばに有名な「乳頭温泉郷」があります。温泉郷といっても温泉宿が並んでいるわけではなく、いくつかの源泉を持つ旅館が点在しています。道も狭く駐車するスペースもありませんので、調査しておいた日帰り温泉の「露天風呂水沢温泉」に行きました。

ここは田沢湖から乳頭温泉に行く途中にある「水沢温泉郷」の中にあります。なかなか鄙びた湯治宿で、基本は自炊のようです。ちなみに一泊3100円です。立ち寄り湯としては大人400円也。ただし、休憩用の大広間を使用する場合は900円。個室は1400円でした。いずれも時間制限はありません。これで貴重品のロッカーもあり、シャンプー、洗剤、ドライヤーも完備。貸しタオルはありませんでした。平日とあって、お客は数人のみ。乳頭温泉は混浴ですが、ここは混浴ではありません。混浴にこだわるかたはどうぞ乳頭温泉か鶴の湯温泉へ。

温泉の素性ですが、ここは立派なかけ流しでした。湯の色は白骨温泉のような白濁した湯ですが、あふれた湯は外に流してますので、間違いありません。成分が濃いせいか、家内はのぼせてしまったようです。 

風呂から出たら本格的に雨が降ってきました。雨が降っても問題ないところとして、角館の武家屋敷を目指しました。昼食をとりがてらそちらに向かうこととしました。途中で、「宝風」という郷土料理の店を発見。ここでランチタイムとしました。皆さんが召し上がっているのは、「きりたんぽ鍋」か「山芋地鶏鍋」ですが、昼間から鍋はちと重いので、やはり秋田名物でもある「稲庭うどん」を頂きました。天ぷらざるうどんでしたが、立派な揚げたての天ぷらとつるつる稲庭うどんの組み合わせは絶品でした。しかもお値段が995円と1000円円以下。秋田はやっぱり物価が安い!と再認識。

おなかも一杯になりましたので、ようやく気を取り直し「角館」へ。
「武家屋敷」
を捜すのに手間取りましたが、ようやくキャンピングカーを駐車できる場所(桧木内川沿いに大駐車場あり)を捜し、徒歩で散策しました。武家屋敷といってもすべて昔のままということではなくて、数軒が昔のままのわらぶきで、あとは現代風に作り変えられています。むかしのままの「石黒家」という侍屋敷を拝見しましたが、かなりの大きさにもかかわらず150石取りの中級というよりはどちらかというと下級武士ということでちょっとアンバランスな感じをもちました。あとで確認したところ、石高は少なくても商才に長けていたようで、財政的にはかなり裕福だったようです。

その後、樺細工の記念館、角館町樺細工伝承館 を見ましたが、樺細工も現代の名工が作ったものは流石に高価で手が出ませんでした。家内は雑炊用に木製の大型のスプーンを2ケ購入。そういえばランチを食べた宝風で稲庭うどんセットも購入しました。いずれも自家用です。あしからず!

ここでついに本降り。もう見物どころではありませんので、車にもどりキャンプ場へ戻りました。明日は台風の影響により一日中雨との予報です。さてどうなりますやら。 

昨日の夜半から今朝にかけて台風の影響で猛烈な風雨に見舞われ、とんだキャンプになってしまいました。夕方から段々雨が強くなり、夜半には風も加わって車が風で揺れるほどになりました。また雨が屋根をたたく音がものすごくてあんまり熟睡はできませんでした。もっとも熟睡できなかったのは私だけでしたけど?。

さて、今日はすこし風雨も収まるかに見えましたが、雨が止んだのは朝の6時頃の数分だけで、その後は一段と激しさを増すばかり。天気予報によれば、台風は朝8時頃、秋田県に接近といってますので、私たちはまさにその真っ只中にあります。ついに意を決してキャンプ場を撤収を決意。撤収といっても、まずオーニング(張り出しテント)をたたみ、AC電源を供給していたコードを切り、汚水タンクの排水とポータブルトイレの排出をしなければなりません。これを全部猛烈な雨の中で決行。上着、ズボンを履いていても濡れるだけなので、下着一枚の上にカッパを着て作業。幸い、キャンプ場には私達だけで見てる人も居ませんから堂々としたもんです。(風邪がちょっと心配でしたけど。)ちなみに気温は16度くらいでした。 

前記作業を終了し、管理人のおばさんに挨拶。一昨日に続き、昨日は茄子の漬物をいただき大変親切にしてもらいました。キャンプ場は設備もさることながらやはり管理人さんの対応のよしあしが全てですね。また来てみたいキャンプ場の一つになりました。

台風を避けるため、とにかく台風が過ぎ去ったはずの南へ向かうことにしました。なにはともあれ東北道に出る必要がありますので、まず東へ向かって盛岡へ。国道46号線の盛岡の手前ある道の駅「雫石あねっこ」で小休止。
どうせ雨だし、することがないので、道の駅に併設されている温泉「橋場の湯」で一風呂あびることにしました。これがかなり本格的な温泉で、中に入ってびっくり。湯はちょっと不透明なアルカリ泉のようで、肌がつるつるします。ただし、どうもかけ流しではなさそうでした。
風呂上りにお昼時になりましたので、ついでにランチタイム。家内は「わっぱカルビ丼」、わたしは「黒納豆ラーメン」。左の写真はお食事所、「あねっこ茶屋」です。

小休止のつもりが大休止になってしまいましたが、あらためて盛岡へ。盛岡から南に向かって走り出しましたが、途中でだいぶ雲が薄くなってきました。天気予報でも明日は台風一過晴れと言ってますので、急遽予定を変更し、太平洋側に出ることにしました。前から一度行ってみたかった三陸方面です。また「陸前高田オートキャンプ場モビリア」にも行ってみたかったのも理由の一つです。
東北道を水沢ICで別れを告げ、一般道397号をひたすら東を目指します。 途中道の駅「種山ケ原」でお土産を購入。約2時間30分ほどで陸前高田へ到着。途中ガソリンスタンドで給油と給水。ついでに海鮮の美味しいお店の情報をゲット。うまい店を探すのはこの手が一番です(経験上)。

ところで途中でフロントウインドが雲ってしょうがないので、デフロスターを入れたのですが、途中でナビが現在位置を表示できなくなりました。道はちゃんと合っているのですが、自車位置が検討違いのところに表示され、道に戻りません。原因不明で困りましたが、ふと気が付いてダッシュボードの上にセットされているナビのセンサーを触ってみたら熱気で触れないくらい熱くなってました。どうやらこれが原因ではないかと疑って、とりあえず水で濡らしたテイッシュペーパーで冷やしてみたらこれが大正解。5分ほどで現状に復帰できました。今回はこれで解決できましたが、冬になったら、センサーの取り付け位置を変える必要がありそうです。
話を戻します。とりあえず予約していた前記キャンプ場にチェックイン。料金を支払って今夜の宿を確保できましたので、あらためてガススタンドで聞いた料理屋を捜しにでました。幸い道の駅「松原高田」のそばで目指す海鮮料理のお店「ひとかべ」を発見。ひとかべとはいったい何でしょう?実はひとは「一」、かべは「首」なんだそうです。つまり「一首」ですね。名前はともかくお店は個室スタイルでなかなか雰囲気もグッド。海鮮が専門とのことで、家内は「海鮮丼」わたしは「あなご丼」を注文。ご飯はいずれも半分と指定。キャンプ中は山でも登らない限り運動不足になりますので、なるべく食べる量を減らします。ところで味はかなりグーでした。特筆すべきは付録の茶碗蒸し、中身は鯛の小さな身が一切れだけ。でもこれが絶品でした。で肝心のメインデイッシュですが、海鮮は豪華のひとこと。穴子は柔らくて風味があり、二人ともぺろっと平らげました。ご馳走様でした。ついでにあやうく帽子を置き忘れそうになりました。

さあ、明日は快晴になることを祈りつつ就寝です

昨日は台風の最中、田沢湖のキャンプ場から脱出し、何とか陸前高田のオートキャンプ場「モビリア」にたどりつきました。
さて一夜明けて、今朝は雲ひとつない絶好のお天気です。まさに台風一過とは良く言ったもので、やっぱりあきらめないで東北は岩手県内に留まってよかったと思いました。

ところで、ここは場所からいうと気仙沼に近いところと言ったら、分かりやすいでしょうか。 今朝は昨日の台風のため濡れたテントやら傘やら、車のマットやらの天日干しから初めて、何とか収納できるところまで乾かました。さらに昨日せっかく処理して清掃したポータブルトイレも家内が昨夜だいぶ活用してくれたようで、もう満タン。これも気がついたのですぐに処理。せっかく天気に恵まれましたので、キャンプ場内を散策。写真はトレーラーハウスサイトから海を見下ろしたところです。10時にキャンプ場を出発。

目的地は「碁石海岸」「唐桑半島」の岩場巡りです。まず碁石浜を目指しました。ここの浜の石は荒波に削られているせいか、角張った石は無く、みんな碁石のように角がとれて丸石になっていることから、この名がついたそうです。有名な場所と聞いてましたので、大きな浜かと思いきや、せいぜい長さ100mにもならない小さな浜でした。浜では地元の漁師が昆布を干すのにおおわらわでした。この忙しい漁師さんを撮影しているプロのカメラマンが約1名。漁師さんたちも目障りなんでしょうが、文句もいわず黙々と作業していたのが印象的でした。

碁石浜は、どうも期待外れなんで、もう一つのお勧めスポット、「穴通磯」を目指しました。途中で大きな駐車場を見つけて車から降りたところ、ここが本命の碁石海岸であることが分かりました。断崖と岩と押し寄せる荒波が売り物のようです。ここでリアス式海岸とはこういうものかと初めて納得。

穴通磯とはこの岩の一つに海水の浸食で穴が3つも空いている岩を言います。感動的だったのは海の色です。快晴ということもあって、海岸のそばにもかかわらず本当に青い色、サファイアの濃い色といったら分かりやすいでしょう。これが岩に打ち付けても岩からすべり落ちる瞬間までこの青い色を保っている様子はなかなかの光景でした。しばらくしたら観光バスが数台到着。かなりにぎやかになってきたので、早々に退散。

途中道の駅、「高田松原」でイタリアンランチ。イカ墨パスタとパニーニセットです。パン屋さんがやっているお店でしたので、今晩用に美味しそうなパンを物色し購入しました。これが今夜の夕食です。
食事の後、つぎの目的地、唐桑半島を目指しました。こちらも岩と海とのコンビネーションを見るということでは本質的に変わりはありません。巨釜(波しぶきが釜の中の煮えたぎる湯のように見えることから名がつきました。垂直に立つ折石がシンボル)、半造(言われは忘れました)が名所。やっぱり波と海の色が印象的でした。
中でもちょっと趣向があって、岩に出来た洞窟に波があたるとゴーという音が出る雷岩とか、岩と岩の間の狭い場所に外から波が打ち寄せると噴水のように吹き上がるとか、いろいろ曰くがあるようです。論より証拠、左の写真をご覧ください。

さてこれで今回の予定は終了。あとは一路東京を目指すだけ。といってもまだここから450キロありますので、ニ日がかりの帰京となります。今日もやっぱり寝る前に風呂には入りたいと思い、途中東北道を福島西ICで降りて、「土湯温泉」の日帰り温泉施設、「樹泉」へ立ち寄りました。ここを選んだ理由?は高速のICから比較的近いこと(15分)、夜10時までやってること。残念ながら温泉の湯はは循環でしたが、露天風呂が木製でしたので、雰囲気もあり、暖まることができました。料金は700円でしたが、残念なことに休憩室がありません。あるにはあるのですが、かなり料金が割高になります。 

車に戻り、ひたすら東京を目指し、那須高原SAで午後10時半になりました。ここで一泊し、翌土曜日に無事に帰宅しました。本日の走行距離は約350キロになりました。あー疲れた。

お楽しみいただいた今回の旅はこれで終了です。どうぞ次回をご期待ください。